配線ダクトは、文字通り配線を収納した管状の細長いもので、煩雑となりやすいコード・ケーブル類をひとまとめに収納し、同時に配線を保護する役割があります。
商品として販売されているものは塩ビなど樹脂製が多く、切って任意の長さで使用できる便利さがあります。アルミやステンレスなどの金属製も商品として販売され、こちらは一般家庭ではなくオフィスや工場など産業用で使用されることが多いです。産業用機器の電源ケーブルは、何本かまとまるとかなりの重量物になりますので、より堅牢な素材で作る必要があるため金属製のものが採用されるのです。産業用でよく見かけるものとしては配電盤内に設置されているもので、配電盤内の多くの端子台・基板・ターミナルなどから出ている通信ケーブルをひとまとめに収納し、盤内の隅に設置されていることが多いです。
こうすると配電盤内のリレーなどの消耗品を交換するときに邪魔にならず、作業中ケーブルと干渉して切ってしまうトラブルが防げます。また配電盤内に配線ダクトを設けるときは高温になることが予想される部分には金属製を、それほどのものでないときは樹脂製が用いられることが多いのですが、いずれにしても熱がこもることを防止するため、配線ダクトとして用意されているほとんどの商品の側面にはスリットが開けられています。一般家庭で配線ダクトを使用すると有効な場所はテレビ関係です。
テレビは必ずアンテナ線が必要で、端子から何本ものケーブルが室内にうねって美観を損ねるケースが多いのです。配線モールと呼ばれるケーブルをひとまとめに収納数するものを使ったり、結束バンドで留めたりする方法もありますが、その方法だと録画機や電波を増強するブースターなどを新たに設置するとき、配線工事が面倒です。配線ダクトを使ってケーブル類を収納していれば、入れ替え工事や配線追加などが容易に可能で、便利にきれいに整理できます。